ちょっと前にUsherを取り上げましたが、今やTVでUsharがかかっていない日が無いぐらいの大活躍ぶりです。今日はiTunesで無料配信されているこの映像をリビングのTVで観て、益々アルバムづくりの創作意欲が刺激されました。やはりトップクラスの人達の研ぎ澄まされた感覚は素晴らしい(最近、日本の現場に対する批判ネタが続いただけに・・・)。
技術の進化に伴いハードやメディア形態が次々と変わって行く事に対して、悲観的な人達は大勢います。自分もローカル時代は、周りの意識に流されそうになった時期もありました・・・つまりどんな事かというと、「音楽配信が主流になり、CDが無くなり、ジャケットの仕事が無くなる」とか「ネットが主流になり、印刷というメディア自体が無くなる」というたぐいの懸念です。今は全くそんな懸念など抱かなくなりました。しかし(お馴染み)デザインブログ村などでクリエイターの意見を観察していると、未だに「見えない先の悲観的な憶測」は健在なようです。しかしいずれも「空想」の域を超えないものばかりです。
ネットによる音楽配信?僕は大いに利用していますよ。利用していない人の中には「どうせ金を払うなら、ジャケット付きのパッケージ商品じゃないと」という意見もありますが、iTunesストアでの購入では、ちゃんとジャケットはついて来ます(自分でプリントアウトしなければなりませんが、さすが商品だけあって、割と高解像度です)。音楽配信の良い点は、やはりシングル単位でもアルバム単位でも買えるという点。店で探さなくても、欲しければすぐに入手できる点。CDからMP3に変換してiPodに移す手間が省ける点(同時にジャケットもiPodに移せるため、外で聴く際にもジャケットアートワークも常に一緒!)等、利点はいくつもあります。もちろんCDより安いです(アルバムで$9.99)。中古として売った時の「還元」はありませんが、中古ばかりが永遠に巡回して新品が売れないという問題は解消されるのではないでしょうか(コピーに関しては新品でも中古でも同じ問題ではありますが)。もちろんCDにはCDの良さもあるので、CDを買う事もやめていません(どちらかというと、CDでは購入しづらいものをネット配信で購入しているという感じ)。
●iTunesストアでの購入特典の一例(過去記事より)
とにかく僕自身、ここ数年はユーザーとして時代の新システムの恩恵を楽しんでいて、良い部分を積極的に堪能しています。自分がジャケットを作る人だからと言って「紙ジャケットじゃなくちゃ反対!」「だから音楽配信など利用しません」などと意地を張っていては、時代に置き去りにされるだけです。「わざわざ店に行って探さなくても購入できる」という点はやはり素晴らしいです。iTunesストアで自分の手掛けた作品はいくつかありますが、世界中の人達が購入可能であって、視聴も可能、そして一曲から購入できます。「期待して買ったけど良く無かった」などという事もありません。
憶測だけの懸念など、全く意味を成しません。10年程前「Macが無くなる」という事が盛んに言われましたが、その頃、いまのようなiPodの大成功など予想できましたか?Macは無くなってますか?たとえ先がどうなるのか解らなかったとしても、悲観して10年前に辞めていたら進化など無かったわけです。ビデオやDVDも同じです。たとえ今のシステムが「5年後に無くなる」と言われたとしても、僕はその5年間をそれ無しで過ごしたくはありません。5年間充実して過ごし、5年経ったらその時に決めれば良いことです。憶測に振り回されるのは不幸な事です。
形態は変化しても、クオリティの本質は変わりません。形態だけにしがみついていると、命を落とす事になります。僕はハードにはこだわりません。ソフトの機能にもこだわりません。そこにしがみついてしまうと、そのハードやソフトが無くなった時に、自分が出来る事も同時に失います。何を表現したいかさえハッキリしていれば、どんな道具であろうと生き残れるのです。クリエイターたちは日々、ソフトやハードの「ヴァージョン○○が出た」と些細な変化に反応しますが、10年経ったらそんなニュースなど、きっと笑えるネタに過ぎません。そのハードやソフト自体無くなっているかもしれません。その時に自分が出来るベストを刻むしか無いのです。
ちょっと前に友達申請をくれたインコグニートのジャン・ポール "ブルーイ" モニックも最新のインタヴューで同じような事を語っていて、流石に時代を超えて第一線で活躍している人は変化にもポジティヴに対応できるのだなと感動しました。
紙には紙にしか出来ない事が沢山あります。同じように、写真にしか出来ない事、イラストにしか出来ない事など、本当に必要なものが整理されて明確になって行く事こそが進化なのではないでしょうか。
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