日本のTVを観ていた頃は、広島や長崎の原爆の映像ばかりが流れ「戦争の悲惨さ」を強調されて来ましたが、アメリカのTVを観ていて日本人として最もハッとしたのは、穏やかな日曜日、日本の戦闘機がいきなり空襲をしかけて来て多くの犠牲を生んだという映像を観たこと。その映像は決して「日本がこんなに酷い事をした」と煽る類いの恨み節ではなく、「突然の空襲の中、勇敢に戦った一人の戦士」という愛国心を讃えた"Medal Of Honor"(名誉勲章)のTVスポットです。日本のTVしか観なかった頃は、そんな映像が沢山残っている事さえ知らなかった。というか、全く流れない。流されない。そんなメディアで育った僕自身、日本人がした事に対する認識が足りなかった。
一方、日本のメディアは今でも攻撃された事でしか戦争の悲惨さを見せない。そして未だに色々な形で恨み続けているように思う。「憎しみからは憎しみしか生まれない」と解っているのに、正義の名の元に特定の国(酷い場合はそこに住む人達までも)を憎む。そんなのは正義じゃないと思う。
黒澤明監督、リチャード・ギア主演の「八月の狂詩曲(ラプソディー)」という映画で、アメリカ人(戦争の時代には生きていなかった一市民)が、被爆体験をした日本人のおばあちゃんに、原爆を落としたアメリカ人として謝るのですが、おばあちゃんが「いいんですよ」と言うシーンが印象的でした。決して「いい」はずなど無い事なのに、「いいんですよ」と言える事が、憎しみや悲しみの連鎖を止めるための唯一の方法なのだと・・・そんな描き方が出来る黒沢監督は、やっぱり世界の黒沢だと思い知らされた。
日本人として戦争の愚かさを知るための最も為になる映像は、日本が空襲をしかけている映像だと思う。そうじゃないと「正義」の名を盾に、恨み、争う事は止まらない。日本が「いいんですよ」と言ってもらえる日も来ない。むしろ自分達が言ってもらえる事のほうが先では無いだろうか・・・
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全く同意です.私も八月の狂詩曲は見ました.
戦争に関しては,日本はいくつもの厄介な問題を引きずり,そのまま未来に進もうとしているように感じます.結局,説明可能な「形」を定めることに終始するばかりで(たいてい自分たちの身に起こった悲惨な出来事),本当に起きただろうことを多く知ろうとする真剣さが足りないのだと思います.ちなみに,本当に起きたことはとても複雑で,それは「Aという原因でBが起きました」なんて簡単な捕らえ方はできないはず.それがかりに真実でも,それはひと方向から光を当てたにすぎないと思うのですよね.しかし,日本の教科書などは,ある形に従ってストーリーを定めてしまっている感じがして,全く多面的見方ができていない.歴史を学ぶという概念からは程遠い気がしています.