本物が育ちません


uniqlockに関しては以前にも触れましたが、もう一度誤解の無いようにまとめたいと思います。決してこれが気に入っている人達の趣向をどうこうと言いたいのではなく、アートディレクション的立場で詰めが甘いのではと感じるのです。上の画像は最近iPhone/iPodのアプリにアップデートされたプレビュー画像ですが、男性ダンサーが追加され、今までuniqlockを支持して来た人達にもあまり評判は良く無いようです。踊ってる女の子を見たい人達にとっては確かに不評でしょう。これまでのヴァージョンでは見た目がスリムで奇麗な女の子たちを集めたと一目で解るものでした。そこにスタイルも良く無く美形でもない男性達の割り込みです・・・不評なのも解ります。ここでも、「どうしてもっとスタイルの良い人選をして、優美さを追究しなかったんだろう?」という疑問を感じます。前回の記事で述べたかった事も、そういう「一貫したコンセプトの無さ」についてです。ダンサーたちの指先ひとつの動きにまで神経を尖らせた振り付けと言いながら、上の画像です・・・左側の人は右の人と同じ動きをしているようには見せません。女の子たちのヴァージョンは、少しずつ動きが良くなって来ていると感じていました(しかし、それさえもシーンによってまちまちで、同じ厳しい目を持って改善しているとは思えないのです)が、いずれにせよ「素人っぽいダンスを見せたいのか、人を感動させるようなダンスを追求したいのか」が解りません。ユニクロが店頭で使っているような美形の細身の外国人男性モデルのようなダンサーだったら、もっと釣り合っていたのではないかと感じます。「試行錯誤」という言葉を使えばもっともらしいですが、単なる一貫性の無い「つぎはぎ行為」にしか見えません。表現したい事(クオリティ)が解っているとは思えないのです。

こちらの ROSAS DANST ROSASの映像を見てください。

時計のように秒を刻む音と動き・・・カメラも見事にその動きを捕らえ、編集でさらに強烈にアピールします。女性達の動きは、まるで見えない大きな力に動かされているようで、uniqlockで感じた「振り付けを頭で暗記して動いている」なんて微塵も感じさせません。uniqlockでやりたかったのは、こういうものだったのではないかと思うのですけど・・・。確かに時計という「ブログパーツにした」というアイデア部分では、uniqlockの「アイデア」は受賞に値するものであるとは思います。しかし僕が言いたいのは「どうして完璧なクオリティにしないのか(あれで良しとする理由はあるのか)」「ダンスのクオリティが良かったら、もっと評価は高かっただろう」という事です。

僕を納得させてくれる理論を述べている方を初めて見つけました:

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『そう、ほんとうにUNIQLOCKなんかと比較しちゃあ申し訳ない』
今さらですけどUNIQLOCKの元ネタはやっぱり「Rosas danst Rosas」ですね。ダンスから音楽、カメラワークにいたるまで、まぁ「パクり」とまでは言いませんけど、ほとんどそれに近い。たぶん佐藤○○○あたりが最初のプレゼンの段階でクライアントに「Rosas danst Rosas」のビデオを見せたんでしょうね。で、「こんな感じオサレでしょ?」ってな具合でやったんじゃないかとw まぁ、どこにでもある話なんだと思うんですが、それならそれで「ユニクロックの元ネタは実はRosas danst Rosasで…」って制作サイドの誰かがきちんと言わなきゃいけないんじゃないのかなぁと。

ちなみにこの件に関して電話でユニクロに問い合わせてみたんですが、返答はもちろん「UNIQLOCKのダンスはオリジナルでrosasとは無関係です」とのこと。まぁ、そりゃそうなんだけどさw

例のソニーBRAVIAのCMパクり問題にしてもそうなんですが、広告業界の連中っていうのは2つの意味で“何やったって金で何とかなる”とか考えてるんですかね。つまり、ひとつはアーティストやクリエーターから訴えられても金積んで裁判やりゃあなんとでもなるということ。もうひとつはパクられたことで結果的にそのアーティストやクリエーターに注目が集まって、結果的にお金として還元されていくということ。事実、BRAVIAの一件でパクられた側のアーティスト・Kozyndanはそれなりに名が売れて元は取ったなんて話も聞きます。

でも正直やっぱりよく分からない、なぜわざわざパクる必要があるんでしょうね。もし制作に携わった誰からその作品なりアーティストなりをリスペクトしてるなら、彼らに直接仕事をやらせてあげればいい。もちろん広告という理由で断る場合もあるでしょうし、受けたとしてもビジネス的な経験不足でプロジェクトがうまく進まないことだってあるかもしれない。でも、そういうのも込みできちんとするのがリスペクトってもんだし、それが出来ないからって言って勝手に使っちゃえなんていうのは某国の偽ディズニーランドと大差ないわけで、そんなことも普通に出来ない広告の世界って一体なんなんだと。

もちろんUNIQLOCKにしたってBRAVIAにしたって、元ネタとはまったく別の意味でクリエイティヴな仕事だとおもいますし、その点がまた問題をややこしくしてるように思います。ただね、これは残念というかなんというか、少なくとも「rosas danst rosas」とUNIQLOCKを見る限り、いちばんrosasをrosasたらしめている「身体性」がUNIQLOCKからは完全に欠落してる。もちろんrosasがやってないんだから当たり前といえばあたりまえなんだけど、その表面的だけをかすめ取って「どう、オサレでしょ?」なんてやっちゃそれこそリスペクともへったくれもあったもんじゃないです。

ということで、せめてUNIQLOCKを見てなんかいいなと思った人はぜひ「rosas sanst rosas」のDVDを買ってみてください。いや、もうぜったいUNIQLOCKの比じゃないからですから。

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初めてクリエイティヴな観点(というか精神)での意見を得られた思いです。僕が最初から感じていた「気持悪さ」の理由はこれです。スッキリしました。前の記事で「ダンスとは何か、が解っていないクリエイターが作った結果でしょうか」と書きましたが、やはり形だけを真似ているからでしょう。こういう鋭い目と厳しさが無ければ、日本は良くなって行かないでしょうね。本物が育ちません。

(追記)
もうひとつ気付いた点ですが、iPhoneアプリ版でのレビューで、

>ユニクロなのにシンプルでないとか実用的でないとかいうレビューが見られますが、
>きっと数々の賞をとったUNIQLOCKをご存知ないんでしょう

というものを見かけましたが、「賞を受賞した」という事を知れば、シンプルじゃないものがシンプルになるわけでも、実用的じゃないものが実用的になるわけではありません・・・勿論、酷いダンスが良くなるわけでもありません。そのレビューを書いている人自身が本質を見抜けない人である事は明らかでしょうね(^_^;) クリエイターとして、「どういう人達に支持されるか」という事は本当に大事!

「 本物が育ちません 」へのコメント

moritoさん、こんばんは。
本当にごぶさたしています。

Rosas danst Rosasの動画見ました。
私はuniqlockは知らないので比較できませんが、素直に見事だと思いました。

彼女達を即uniqlockに採用するのは無理としても、日本にも術力のあるダンサーは少なからずいるはずで、そう言う人達をもっときちんと選べば良いのに、と思いました。
その結果、一見地味な人達が選ばれたとしても、その踊りに魅了されてついて来るファンは多いと思いますよ。

所で、私もmoritoさんの二人の旧友さん達と同じで、自分が原因で窮地に陥っていました。
自業自得ですよね。
で、もっとネガなコメントをするはずだったのですが、先ほど日本人として嬉しい記事を見つけましたので、ここにアップします。

http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/090731/tnr0907311405007-n2.htm

moritoさんも怒りそうなデザイナー二人がプロアマ問わず日本の良識にとっちめられるのを見て、私も気持ちがスカっとしました。

ミツコさん。こんにちは!

uniqlockは↓こちらで見れます:
http://www.youtube.com/watch?v=FbnsjYyeGQY
ブログパーツの大きさで見た時は小さいのでさほど気にならなかったのですが、大きくなると粗が目立ちます。海外では素人さんでもこれぐらいの映像を自作してYouTubeにアップするので、コメントを書いている海外の方々はこれがプロ(しかも日本のトップクラス?)の絶賛されてる作品だとは思っていないでしょう。ちなみに先程、うちのハウスホストさんにも見せてみましたが「ひどくアマチュアだ」と言ってました。

ミス・ユニバースのニュースは知りませんでした!ファション・デザインの世界のとは無縁なのですが、パリコレとかのファッションショーなどを見る限りでは実用的ではない、まるで飾っておくだけの、しかも奇を衒った芸術作品というものばかりで、その発表会という感じがします。そういう場ではアーティストが賞賛されようがこき下ろされようが、個人的に表現したいものを出せば良いのでしょうけれど、ミス・ユニバースとなると意味合いが違って来ますよね。
「現代の日本人が作り上げた妄想」などと決めつけるこういうアーティストは「芸術は破壊」なんて言いそうですね・・・そう思うのも勿論個人の自由ですが、人に迷惑をかける事だけはやめて欲しいですね(;´д` )

「二人の旧友」の記事、読んでくださっていたのですね。ミツコさんはそういう人達とは違い、ご自分の才能を磨いて立派にプロとして活躍なさっているのですから、僕の二人の旧友の次元とは全く違いますよ!自分からトライし続ける人は立派です。

親の背を見て子は育つ

>たぶん佐藤○○○あたりが最初のプレゼンの段階でクライアントに「Rosas danst Rosas」のビデオを見せたんでしょうね。

引用文のここに出て来た佐藤○○○氏自体、私は大した事ないと感じてます。日本のクリエイティブ業界の第一人者的な方ですけどね。

http://kbrand.blog9.fc2.com/blog-entry-934.html

この時の審査員が佐藤○○○氏です。
表面だけしか見れずいい加減なのがよく分かります。そのような方が業界の第一人者として君臨してるのですから、それを取り巻く環境がどのような物かは語らなくとも分かりますよね。(汗)

本当に感動を覚えますね!素晴らしい。
言葉で説明するまでもなく、むしろそれら全てがこの空間で表現されていますね。

しかし、それでも「これはアートであってデザインとは違う」と言う人もいるのでしょうかね…
じゃあデザインはアートの表層だけ拾う表現するのは何なの?って言いたくなります。
それこそ、中途半端でしょう。

表層拾いと言葉遊びの広告をあちこちで見ます。

「仕事の作品は自分にとって毎日出す排泄物と一緒。いちいち気にしてたらキリがない」

って言う人ホントにいますからね…。
そんなのが溢れかえるから街並までひどく汚れてくるんじゃないでしょうか。

久々に渋谷を歩いた時に思いました…「この街の光景が今の日本のデザインの酷さを物語っている」なぁーって…
あの街に調和なんてのはもはや存在しないのかもしれません。

@KOJIさま
個人批判にはしたくないので、念のため実名のところの修正をお願いします・・・(^_^;)本文のほうも人名部分を修正しました・・・うっかりそのまま引用してしまっていました。これはあくまでも業界の体質として扱うべきだと思うのです・・・もちろん個人個人の行いの集まりではあるのですが、個人を批判して、その一人が直したところで業界の体質は変わりません。むしろ皆がこういう記事を読んで共感してくれる事を目的としています。確かに、そのイラストコンテストの寸評は、個人プレイ的でいただけませんが、氏は決して嘘はついていないと思います・・・悪いのはそういう人を崇める業界ではないかと・・・。

@KYさま

>表層拾いと言葉遊びの広告をあちこちで見ます。

そしてその表面的部分でのコピー(転写/真似のほうの意味)と好きか嫌いかという次元ですね。

さすがに鋭いところを突いていらっしゃいます!KYさんの意見はいつもズバリ厳しく言い当ててくれていて、心強いです。

実はこの記事のコメントに、書き捨てのようなものが投稿されましたが、名前も無く、総体的な視点でもなく、単なる部分的にわざと誤解したような揚げ足取り的なものだったので、対話する価値も無いと判断し削除しました。何のために語っているのかを根本から理解する気も無いようなものは無視したほうが良いです。同じ志を持った人達で、その信念を実際に行動で示して証明して行くほうが良いです。そもそも「このままではいけないと思う」という問題提示と「このままを肯定し問題は無いとするための乱暴な書き込み」というのでは、どちらが進展的な行為か一目瞭然ですね。もちろん「このまま」のほうが楽ですけど。当然、そういう人達が多いからこそ、現象(問題)として現われているわけで、彼らと衝突しないで行くのは難しい事なのでしょうけれど・・・ 。

すみません

ちょっと、配慮の足らないコメントでした。
遅いかも知れませんが名前を伏せました。
酷い体質の業界の中、せめて自分だけは…
という気持ちで頑張るしかないですね。

KOJIさん、お手数をおかけしてすみません。

ツッコミを入れたがる人達は、部分的にツッコミを入れるばかりで、我々がこういう事を語って変わって行こう(これまでの悪い部分を良くして進んで行こう)という目的を、同じクリエイターであるにも関わらず理解しようとはしません。良くして行こうという想いで、「自分だったらこうはしない」ということをハッキリさせて行く事は自分たちの創造活動にきっと繁栄されます。そうじゃないと、ボヤけてくるし、見てる人には余計に伝わりません・・・それがこのトピックのテーマです。
広告と芸術を一緒にするなという書き捨てもありましたが、そういう書き込みに対して説明するには、また振り出しに戻らなければなりません。でも、最初から理解しようとする姿勢の無い人達相手に、そんな時間の無駄はしたくありません。
http://artshrine.blog9.fc2.com/blog-entry-976.html
http://artshrine.blog9.fc2.com/blog-entry-1189.html

「広告と芸術を一緒にするな」ですか…
その方のコメント内容は残念ながら確認できていないのですが、
芸術性のない広告なんて見ても誰も感動しないし、人の心も動かせない。と思いますよ。
そもそも一緒にされて不快になる理由がわかりません。
その方が広告というのをどう考えて普段仕事をされているのか非常に気になりますね…。


何でもないものに、何か特別な「意味」をつけるのって詐欺と変わらないんですよね。幸福の壺みたいなもんで。
とにかく注目集めて情報操作して一気に売ってしまえば大成功。あとは知らね。

目利きのない人達だけに向けて広告うつのがデザイナーの仕事ですか、と…

でもまぁ…広告業界だけのせいじゃないんですよね、決して。
そうならざるを得ない状況もあってしまうのは、クライアント側の問題や社会全体的な問題もありますし…

難しい問題ですけど、それをただ嘆きながら受け入れるのは楽以外の何ものでもないと思います。
楽を選んでいるのに何故か仕事に苦労している気持ち悪さ、も感じるんですよね…。

>楽を選んでいるのに何故か仕事に苦労している気持ち悪さ

KYさんはやっぱりいつも焦点がバッチリ合った見解を、ド真ん中の言葉で言い当ててくれますね(^_^;)

「広告と芸術を一緒にするな」云々のコメントはこのエントリーに付けられましたが、面倒なので削除しました。名無しのコメントなどに返信する必要など無いと思っていますし、
http://artshrine.blog9.fc2.com/blog-entry-1189.html
↑こういったエントリーで散々述べて来たので、また振り出しに戻るのは単なる時間の無駄です。とにかく「美しく見せよう/形作ろう」とする気持ち自体がアートの原点なので・・・そういう気持ちが全く無い広告も確かにあるでしょうけど(笑)

「よりピントの合った写真を使う」など、デザインの仕事ではそのビジュアルのクオリティは追求するはずなのに。どうでも良いのならプロのカメラマンなんか使いません。それをせず、わざわざ素人を使うのには意味があるのか?と疑問に思うのは当然の事だと思います。このエントリーの主旨はそういった事であって、「広告であって芸術では無いのだから、美的表現の追求などする必要は無い」というのであれば、すべて素人の下手なスタッフにやらせれば良いのではないでしょうか。

ブックマーク的サイトからのアクセスも多いですが、最近はあえてリンクを辿ってまで見ないようにしています。一言二言で言い捨てられるアンチな言葉など気にしていられませんから。がっかりするばかりだし、そもそも何のために"部分的"につっこみを入れてるのか、目的が見えません。

その中には「服を見せれば良いのだから」というようなコメントもありましたが、だったらダンスの表現などせず、服だけ見せれば良いですよね。広告の機能的な事だけを果たせば良いなら、服だけ見せるというのもありでしょう。その表現だけで十分なパワーを持っていればですけど。

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